コウノドリ

産婦人科の物語であるコウノドリ。名作だと聞いていたけど、Amazon primeにて初めて視聴。まずライトな感想から。綾野剛かっこいいしコウノドリ先生みたいないい人なかなかおらんと思う。BABYのピアノ最高や。星野源の四宮先生も厳しいようで実は患者思いのいい先生なんだよな。あと、松岡茉優ちゃん可愛すぎ、あんな顔に生まれたかった。吉田羊の助産師もお母さんにとったら心強い。あんな助産師さんがいる所で産みたい。あとは、、産むお母さん方みんな美人やな、、笑

 

医療系ドラマは思うところがありすぎて、見てて辛くなったりもする。コードブルーも同じ。バチスタとかのミステリー系なら楽しめるんだけど。リアルであればリアルであるほど現実を突きつけられる。

 

産婦人科は人間の人生が交差する現場だから、幸せな出産だけじゃなくていろんな事情を抱えた人がいる。産みたいのに産めない人、産みたくないのに妊娠してしまった人、産まれて来たけど障害があった子、後先何も考えず妊娠した無責任な親、出産方法にこだわったり、言うことを聞かない親、エトセトラ。現実の産婦人科もそうらしい。ちゃんと考えて産む人なんて全体の一部で、多方の人は大して考えてなんかない。というか、考えてたら産めないんだろうな。

 

正直に言って、私は積極的に出産がしたいとは思えていない。そう思えないことに罪悪感を感じる。社会のレールに乗って生きてきた人間だから、やっぱり結婚して出産して子供を育てるという大きな流れに自分も乗らないといけないという半ば強迫観念もある。けど、出産するメリットってなに?仕事は満足にできない、自分の時間も取れない、仕事と両立できる気もしない、自分1人で育てるなんて無理だけど実家に頼れるかも分からない、そもそも赤ちゃんが泣いたりするのが結構苦手だし、ちゃんと愛情を注いであげられる自信が無い。そう、自信が無いのだ。だって弟のこと嫌いだったから。弟は私が10歳の時に生まれた。生まれる前はきっと可愛いだろうなとか思っていたけど、あまりそう思えなかった自分がいた。大声で泣き叫ぶのが無理だった、百日咳にかかり常に吐いていて汚いなと思った、きっと親は私が弟を受け入れ仲良くすることを望んでいたに違いない。でもそう出来なかった。なんで可愛く思えないんだろうと惨めな気持ちにもなったけど、もう開き直ることにしたのだ。私は弟が嫌いだと。

成長していく中で弟は普通ではなかったが、障害があるとも言えない微妙なラインだった。他の子は普通に話せるのになんで弟は日本語すらまともに使えないのだろう。なんで人の気持ちが分からないのだろう。総じて嫌いだった。

 

もし自分が産んだ子が障害を持っていたら。弟を受け入れられなかったようにきっと自分の子供も受け入れられないと思う。頭ではわかっている、個性だと思って受け入れないととか、親は産んだ以上責任を持って育てないといけないとか。でも私はそうなってしまった時にちゃんと愛してあげられる自信がないのだ。最近親ガチャという言葉が流行りだが、なぜ一方的に親を恨む言葉になっているのだろう。親からしたら子供だってガチャだ。

産まないといけないという気持ちと、ちゃんと育てられる自信が無いという相反する葛藤に決着がつく日が来ることを待ち望んでいる。

 

世間のおおかたの人間は産んだ先のことをほとんど考えていない。みんな産んだら幸せなママライフが始まると夢見ている。でもね、その方がきっと幸せ。人間逃げられない状況になると、意外となんとかなる。頭ではわかっていながら結局どっちに振り切ることもできない私はどうしたらいいのだろうか。

 

産婦人科は色んな未来を背負って働く。子供に障害を負わしてしまうかもしれない、子宮を摘出せざるを得ずもう二度と妊娠できない体にしてしまうかもしれない。その覚悟はあるか?

 

器の小さな私なんかが他人の人生まで背負えるとは思えない。コードブルーの藍沢先生も、コウノドリのサクラもすごいなあ。覚悟ってどうやったら出来るようになるのかな。 自分にできないことをできる人間のことをひとはかっこいいと思うのだ。いつかそんな「かっこいい」人に近づけるように、自分で自分の人生を褒めてあげれるように生きていきたい。